原田マハ「無用の人」②

back number

この小説では「無能」と「無用」の違いが重要です。

主人公「私」の父は、社会的にも対人関係でも「無能」な人物だと妻や娘に思われています。

しかし、「私」は考えます。

それは能力がないのではなく、密やかに美しいものを愛でる自らの価値観に基づいて生きているだけだと。社会や他の人にとって「無用」になっているだけではないかと。

亡くなった父からの最後の贈りものに「私」はそのことを確信するのですが、娘の幸せを願うこのラストシーンがとても美しいです。

授業の最後に、この感動的な父のメッセージの読み解きを行い、そして「無能」「無用」の違いを確認しました。

さて、普通の「読解」型授業であればこれで終わりですが、今回はもう1問、生徒に問いかけてみます。

あなたにとって、「幸せ」とはどんなものだろうか?

グループの話し合いでは、「自分の価値観を大切にして、好きなことをやって生きる」等の、授業内容を受けてのものが多く出てきました。

そして「美」、「愛」、back numberの「瞬き」の歌詞も!

けれど、生徒にとっていちばん人気だったのは、「後で気づくもの」という答えでした。

まだ高校生ですけどね、なるほど^ ^

普段の生活では、おそらく考えることもない「幸せ」の定義を、生徒はこの美しい小説を通して見つめ、他の生徒それぞれの思いを知ることになりました。

最後は「読解」を超えて「哲学」になった授業。生徒の1人が、「今この時期にこの小説を読めてよかった」と振り返っていましたが、「無用の人」は、教材としても素晴らしい作品でした。

それにしても、「瞬き」の歌詞が出てきたときは思わずニンマリしてしまいましたね。

生徒は59歳の私がback numberの曲を知っているとも思っていないですからね。「こないだ3回目のライブに行ってきた」と聴いたときの驚きようと言ったら…(^。^)

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https://penta-3.com/2019/05/11/muyonohito/

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