withコロナの教育を考える ~オンライン「授業」の前に~

教育

「コペルニクス的」な学びの転換へ

4月23日、緊急事態宣言を延長するかどうか、5月の初めに判断するという新聞記事がありました。

おそらく、感染者が増え続けている現状では、「延長しない」という判断は出ないと思われます。

そうなると学校の休校措置もさらに伸び、いったいいつまでになるのか、さらに見通しのつかない情勢になりそうです。

学校側としては、これまで5月7日から再開した場合の対応に足場を置いていたと思うのですが、そろそろこのまま休校が続くと仮定した場合を考えなくてはなりませんね。

いよいよ長期戦です。

オンライン授業を進めるにしても、生徒にも教師にもそれぞれ通信環境やスキルの問題などがあり、簡単にはいきそうもありません。

どうしても「今まで通りの授業をオンラインで代替させる」という方向に動いている気がするのですが、それには相当な時間と労力や意識の変化が必要です。

もちろん「すべての生徒に公平な授業を」というのは今までの学校において絶対条件でしたし、そこに向かおうとするのは当然とも言えます。

けれど、今は想像もできなかった非常事態。その大原則を守ろうとすればするほど、何もできなくなってしまう。

いや、そうやって手をこまねいている間に、いままでも実は存在していた「学びの格差」はさらに広がっていく、そんな危険性を感じます。

今求められているのは、まさにコペルニクス的な発想の転換。つまり、学校というリアルな場所が失われた今、モデルにすべき学校がすぐ近くにあるのではないでしょうか。

それは通信制の高校です。

「何ができるようになるか」を問う

通信制の高校は、月2回程度のスクーリング以外、学校が定めた課題・レポートを作成し、添削を受けるという形で単位を取得します。

ですから今回も、スクリーング主体だった学校を、課題中心に切り替えるだけです。

問題は、集団であったからこそ可能だった学び、たとえば部活動、学園祭、修学旅行などの行事ができないことですが、それはどちらにしても再開されたところから可能な限り行うしかありません。

またその中には、オンラインでできそうなものがありそうです。生徒にそれを考えさせる、ということにも意義があると思います。

コロナの感染前から、新しい学びとは「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」が重要だと言われてきました。

まさに、いま「何を、どのように学ばせるか学校が決める」のではなく、「何を、どのように学ぶかを生徒が判断する」というところにシフトしていく時ではないでしょうか。

そして学校がすべきことは、その生徒の主体的な学びの先に「何ができるようになるか」を明示することです。

目標と、その達成状況をどのように評価するかを提示し、それを生徒が納得するかたちで個別に評価する。その結果を単位取得、進級・卒業の要件とする。

いままでどうしても「受け身」になっていた生徒の学びを、この機会に一気に変えてしまう。そう考えればやはり「ピンチはチャンス」になると思うのですが・・・

大きな意識改革ですから、簡単にいくとは思いません。それでも、今進んでいる「オンライン授業」の模索は、「何を、どのように学ぶか」の変形にとどまってしまうのではないでしょうか。

たとえば、生徒たちにはこんなメッセージを送りたいと思います。

「こういう状況になって、今まで通り、普通の学校生活が送れなくなってしまったことは本当に残念ですが、みんなも理解してくれていると思います。」

「いろいろ難しい点はあるけれど、学校でもみんなでコミュニケーションしたりする機会を、オンラインも使ってなんとか考えています。」

「学習については、学校という場所に集まって学ぶ、というスタイルがとれない今、君たちひとりひとりが主体的に学ぶしかありません。」

「そのために、君たちに達成してほしい『目標』を各教科から提示します。学年が終わるときに、この『目標』の達成状況を、テストやレポートできちんと評価します。」

「学びの方法はいろいろあります。手持ちの教科書や副教材、参考書、問題集をフルに利用してください。インターネット上にある動画や解説などを参考にするのもよいでしょう。」

「もちろん先生たちへの質問はメールやLINEでいつでも受け付けます。24時間、というわけにはいきませんが、担任にも、教科担当にも遠慮なく質問してください。」

「それから、こんなことをみんなでしてみたい、という提案も募集します。オンライン上でできそうなこと、やってみたら楽しそうなこと、考えてみてください。」

「不安なこと、心配なこともたくさんあるでしょう。私たちもおなじです。みんなで悩んで、でもいい方向に進めるといいですね。」

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