「ウルトラマラソンを走るのは、来たるべき試練に耐える経験を積むため」
ということでもあるなら、もうひとつ実感することがあります。
「ピンチはチャンス」は本当です。
野辺山の例で言います。
レース前は、100㎞の距離を制限時間内に、あるいは目標タイムで走ろうと考えますよね。
でも14時間の長丁場では、何が起こるか分かりません。
まず気象条件。寒すぎず暑すぎず、晴れすぎず雨も降らず、風もそれほど強くなく…ということはめったにないです。
現に2年前は気温が高すぎて、完走率50%を切りましたからね。
そして体調面。順調に練習が積めていて、調子よく当日を迎えられたとしても、それが落とし穴にならないとも限りません。
序盤にオーバーペースになると、間違いなく後半の失速に繋がります。
今回の私のように腹の調子が悪かったりもあるでしょうし、何より走っているうちには必ずどこかに異変を感じます。
脚の痛みはかなりの確率で起きますし、その度に「もうダメかも」と思うんです。
が、多くのウルトラランナーは、そこで諦めません。
前に進んでいるうちに、何とかなるかもしれない。
「もうダメかも」から「大丈夫かも」。それから「きっと大丈夫」「絶対行ける!」に変えていくんです。
実際、走っているうちに痛みが消えることはよくあります。
そういう経験を積み重ねていくと、根拠のない自信に繋がって、悪条件やアクシデントも「乗り越えられる試練」に変わっていくんです。
状況は何も変わらないのに、一歩一歩進むことで、気持ちも前に進みます。
で、こんな状態で走ってる自分が誇らしく思えて、それになぜか家族や恋人や友達に感謝したくなります。
こんなバカなことを許してくれて応援までしてくれるっていう思いですね。
だからピンチなのにチャンス。
自信、誇り、感謝…
日常でなかなか実感できないことが、走ってる間にじわじわと沁みてくる、そういう機会なんですよ。
100㎞という数字も魅力的ですよね。走ってみたくなったでしょ?♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪
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