「無常という事」(小林秀雄)を読む

日々のこと

インプットとアウトプット

前回の続き「記憶」と「思い出す」の違いについてです。

実はこの前、何気なくyou tubeでメンタリストDaiGo氏の動画を見たんです。そしたらちょうど興味深い話が。(ちなみにボーカリストは”DAIGO”)

彼のブログに似たような話題があったので、そちらを引用します。

「思い出す」

人間はインプットしているときではなく忘れたことを思い出す時に記憶が深まります。ですから、思い出す回数を増やすようにしたほうが良いです。 例えば、テキストを1ページ読んだら、そのたびにテキストから一度目を離して、あるいは目を閉じて今読んだばかりの内容を思い出すということをしてください。書いてあった内容や自分がどう感じたかということを思い出してください。

Mentalist DaiGo Official Blog

1ページ毎なのは、思い出す回数が多ければ多いほど記憶に残りやすくなるからだそう。

このあと、マーカーで線を引くなら、思い出して大事だと思ったところに引くのがよいとか、ノートを取るのもテキストを閉じて思い出しながら取るのがよい、といったアドバイスが続きますが、とにかく学習においてもこの「思い出す」ことがとても大事だということですね。

脳科学者の茂木健一郎氏のブログにもこんなことが。

上手に思い出すこと 2016/5/7 07:22

たとえば、とてもおいしいものを食べたとして、その「おいしさ」自体を記録することはできない。将来的に技術が進んだら、というような話はできるけれども、とりあえず今はできないし、将来もできるとは限らない。 「感動」も記録できない。なぜならはそれは個人的なものであり、複雑なパラメータに依存し、しかも時間的には一回性のものだからである。その感動を与えた風景なり、公演なりは記録できるかもしれないが、「感動」は記録できない。 感覚にせよ、思いにせよ、ほんとうに大切なことは記録できないということは、この記録メディア全盛の時代において、よく考えておくべきことだと思う。たとえば、大切な日の思い出も、ほんとうに重要なことは、どんな方法を使っても、記録できない。 以上の考察から導かれる帰結は二つである。一つは、「今、ここ」の感覚や感情を、よく把握しておくこと。マインドフルネスは、この領域に属する。 もう一つは、上手に思い出すこと。自分の今までの人生での、エポック・メイキングな出来事を、ときどき、上手に、思い出して見ること。それ以外に、ほの暗い過去から、自分の今を照らしだす光源を取り出す方法はないのである。

茂木健一郎オフィシャルブログ

「感動」が記録できない、というところはそのまま「無常という事」で述べられていることとリンクしますね。

そして思い出しました(笑)が、「記憶」と「思い出す」の違いを聞いたとき、こう答えた班がかなりあったんです。↓

4月の最初の授業で、「インプット(暗記)ばかりでなく、アウトプット(人と話したり聞いたり、書いたり)をしよう!」と話したのですが、もしかしてそれを生徒たちが思い出し?てくれたのかも。

そうでなくても、「思い出す」がアウトプットというのは、かなりいい線ですよね。

私たちは何かを書いたり、人としゃべったりするときには必ず過去のことを思い出しているんですよね。

思い出すが先で、アウトプットが後、ということでもないわけです。

心が動く、感動する。その瞬間ではなく、後にそれを思い出してアウトプットする。そしてその心が蘇る。その感動や美しさを実感する・・・

DaiGoの学習法も紹介しながら、もう一度生徒と「思い出す」ことについて話してみたいと思います(^_^)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で