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写真で振り返る100km
なぜウルトラマラソンを走るのか
このレース前日に東京へ行って、飲むつもりのなかったビールも少しだけ飲んでしまい、家に帰ったのは22時過ぎ。
東京往復のバスの中で寝たとはいえ、ベッドでの睡眠時間は2時間ほど。自業自得ですが、寝不足の不安がよぎります。
ラン仲間5人で13:30に出発。会場入りは2:40くらいで、珍しく体育館前の駐車場に車を停めることができました。
3:00を過ぎると満車になるようですね。
まだ暗い中、体育館に向かうと中に入れるのは受付と同時刻の3:30とのこと。そこで私だけ特権を生かしてユプシロン ・デカフォレスト専用の控え室に向かいました。
こちらは暖かくゆったりで快適なのですが、大混雑の体育館組には相当ブーイングを受けました。まあタイムでは勝てませんから、このくらいの特権はいいでしょう(^◇^;)
受付からスタートまでは1時間ちょっとありますが、ナンバーカード、計測タグの装着や何やらでけっこう忙しいです。
外の簡易トイレは長蛇の列ですが、こちらも並ぶことなく済んでスタート地点へ。5:00スタートのラン仲間2人と合流します。
ちなみにこの2人、1人は9時間台、もう1人は8時間台で走って入賞しました。この野辺山で8時間台って…
晴れていて、気温もそれほど低くなくいいコンディションでしたが、どうもお腹の調子が悪く、数キロ走って早速トイレタイム。
でもレース前半のトイレは大混雑しますね。結局ここで20分以上ロスして、戻った時は周りはほとんど5:20スタートの黄色ゼッケンの人たちでした。
焦っても仕方ないので、無理をしないように、でも上り坂は少しでも歩かず走るようにしました。
遅れを取り戻すというより、胸につけたデカフォレストの黒ゼッケンを意識しましたね。デカなのに変な走りはできないっていう過剰な自意識(^_^;)
今年はいつもの林道コースが使えないということで、ほぼ舗装道でした。林道より相当楽だという噂でしたが、実際走ってみると、確かに走りやすいですが、アップダウンがちょこちょこあり、キツイのはそれほど変わらない印象でしたよ。
まあとにかく前半50㎞を想定の6時間以内で通過。いちばん心理的に苦しい59㎞地点までの折り返しもなんとかクリアして、71㎞、滝見の湯です。
ここでちょうどバッテリーが切れたガーミンの充電をしようと思ったのですが…
先送り荷物の中に、充電器はありますが、コードがありません!
で、結局時計は使えず、スマホでの計測に切り替えましたが、こちらもバッテリーが残り62%とのかなり微妙。
最終的にはなんとか残り2%で持ちましたが、やっぱり前日の準備は大事ですね。
馬越峠は全歩きしても時間的に大丈夫そうなので、気は楽です。79㎞からの下りも無理せず楽しんで87キロエイドへ。
制限時間まで残り2時間30分以上あるのですが、ここからも野辺山の真骨頂。90㎞過ぎからのダラダラ上りを覚悟して向かいます。
昼過ぎからの暑さもこの時間になると逆に寒くなり、向かい風もかなり強くなってきました。
固形物も後半はほとんど取れなくなり、最後はエネルギージェルが頼りです。
それでも時間に余裕があるのが精神的にはかなり救われます。
「走らなくてもいい」と思うと、逆に走りたくなるのは不思議ですよね。
11回目のゴールは13時間12分。タイムは気になりません。今年も走り切れたという安堵感だけがあります。
翌日、生徒に「なんで(100㎞ものレースに)出るんですか?」と「よくある質問」をかけられます。
「『そこに山があるから』というのと同じかな」
…と言っておきましたが、分かるかな?^ ^
レースその後
レース後2日経ちました。
走り終えたあとのセルフマッサージやリカバリータイツが良かったのか、今回は筋肉痛もそれほど酷くありません。
それにしてもそんなに体をいじめて何が楽しいのか、なぜそんな距離を走るのか、話すたびに必ず聞かれます。
これはウルトラランナーにはつきものの質問ですよね。
「走り終えたあとのビール」「達成感」「自分への挑戦(カッコいい!)」「みんなから『変態』とか『M』とか言われるのがうれしい(それこそが変態ですが)」とか適当に答えるのですが。
いや、本当に答えようがないですよ。
あんなに苦しいのに、もうやめようって思うのに、エントリーが始まるとすぐクリックしてしまう。
もう「性」ですかね。あるいは「業」か(^_^;)
いえ、そんな大げさなものじゃないけど、ひとつ思うことはあります。
人って、生きてればどうせ苦しいことあるじゃないですか。
その苦しみから逃れられないなら、あえて自らその渦中に飛び込んだ方がたぶん楽なんです。
内容は違っても、「苦しみ」というカテゴリーとして捉えて。
この苦しみは自分が選んだのだから、耐えられる。
誰のせいでもなく、自分が乗り越えるしかない。
降りかかってきた苦しみには、こんなに潔く思えないですよね。
そして完走することは、苦しみに耐えてやり切ったという自信になって、他の苦しみにも耐えられそうな気になるんです。
もちろんそう簡単ではありませんが。
でもね、「体験」の字の通り、体で経験したことって大きいと思うんです。
「身につく」「身に染みる」って言いますよね。
「くるたのしい」体験があるって身をもって知っておけば、来たるべき苦しみも少しは楽になるんですよ、きっと。
ウルトラじゃなくてフルマラソンでも、いえ10㎞でも、いえ走ることでなくてもいいんです。
とにかくチャレンジすることでしか、そういう耐性はできないと思うんです。
というわけで、日本屈指の難コース、野辺山ウルトラマラソンへのお誘いでした(^_−)−☆
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