「パレット倶楽部」は伴侶を亡くした人たちのオアシス

ココロ

8月15日、「東洋経済オンライン」でこのような記事が配信されました。↓

https://toyokeizai.net/articles/-/296847

タイトルは、

「伴侶と死別した人限定『天国組』が生まれた理由」

詳しくは記事を読んでいただきたいのですが、2001年にスタートした「パレット倶楽部」の紹介です。

「パレット倶楽部」とは、離婚・死別という同じ経験を持つ方達で集う「再婚や男女の出会いにこだわらない友達作り」のためのバツイチ独身者交流サークルです。

要するに、結婚したがその後離婚や死別で伴侶を失った人たち「限定」の集まり。そこを参加条件にしている点が、いわゆる「出会い系」の会やサークル、アプリとは違います。

そしてその中でも、「死別」という形で伴侶を亡くした方たちのことを「天国組」と呼んでいます。(ちなみに離婚された方は「地上組」です。聞けば納得ですよね)

「天国組」という言い方は、知らない方からすれば少しドキッとする響きかもしれませんが、死別を経験してパレットに参加している私たちにとってはもうお馴染みの、親しい言葉になっています。

こちらの記事で取り上げられているのは、この天国組のことです。

生まれたきっかけについて、主宰の林さんは、参加者から「離別と死別は違うので分けてほしい」という意見を聞くようになったことからだとおっしゃっています。

死別の悲しみを本当に分かち合えるのは、同じ経験をした人だからこそ。まだ「地上」に相手が生きている離婚の人たちとは少し感覚が違うと考えてしまうんです。

「独身の異性がいるところに参加するのは、亡くなった伴侶に対して申し訳ない」という気持ちを強く持たれていることもある、と林さんは言います。

だから、天国組会の主目的は「男女の出会い」でなく、同性異性問わず語り合って、まずは死別の悲しみを乗り越えて元気になること。それが新しい出会いを受け入れることにもつながるんです。

そうして、ここで出会った人たちの多くが、その後もつながっています。まずはパレット倶楽部のホームページをご覧ください。↓

https://www.fromones.com/

パレット倶楽部では、天国組だけの集まりを毎回テーマを変えて開催しています。

そのテーマは、

  1. 死別後の経過年数
  2. 世代別
  3. わかちあいの会(お茶会形式)
  4. その他(地方開催や目的別)

に大きく分けられるでしょうか。

今年2019年に開催された、またこれから開催される予定の会のテーマを挙げてみます。

2019年、パレット倶楽部の設定テーマ

■1/20(日) 40代50代異性との出会いを願う方の天国組会

■1/27(日) 急に伴侶を亡くされた方の天国組会 ※お茶会形式の天国組会/わかちあいの会

■2/3(日) 天国組3年以内の会

■2/17(日) 50代60代異性との出会いを願う方の天国組会

■3/3(日) 伴侶自死の会
※お茶会形式の天国組会/わかちあいの会

■3/10(日) 名古屋天国組会

■3/24(日) 30代40代の天国組会

■4/14(日) 大阪天国組会

■4/14(日) 大阪/伴侶自死の会

■4/20(土) 40代50代の天国組会

■5/19(日) 天国組「5年以内の方」の会

■5/26(日) 60代中心の天国組会

■6/2(日) 突然伴侶を亡くされた方の会 ※お茶会形式の天国組会

■6/30(日) 天国組5年以上の方の会

■7/20(土) 男性は60代以上の会 (離別・死別)
※異性との出会いを願う方の会

■7/28(日) 天国組3年以内の方の会

■8/4(日) 男性は40代50代の会 (離別・死別)
※異性との出会いを願う方の会

■8/24(土) 30代40代の天国組会

■8/25(日) 天国組わかちあいの会

■9/8(日) 女性だけの天国組会

このように、月に2~3回のペースで土日に行われています。準備から当日の司会まで、管理人の林さんがほぼお一人でされていて、本当に頭が下がる思いです。

さきほど分けたテーマ別に見ていきます。

1.死別後の経過年数

死別してからどれだけの年月が経っているかによって参加者を募ります。年数の切り方もさまざまでしたが、このところ3年以内、5年以内、それ以上と分けることが多いようです。

もちろん伴侶を亡くした悲しみの深さも、それを次第に乗り越えていくまでの時間も、年数だけで決まるわけではありません。

私自身、亡くなったことを受け入れて、伴侶のいない生活に「慣れ」ていくには、それ相応の時間が必要でした。

しかも、その「慣れ」に対して、ときどき罪悪感を感じたりもしてしまうんです。何か楽しいことや面白いことがあったとして笑ったとき、こんなふうに無邪気に笑っていいのか、というように。

亡くなった人への申し訳なさ、戦争を体験した方々がよく言われる、「生き残りの後ろめたさ」みたいなものでしょうか、それを感じてしまうのです。

それまであまりやらなかった家事、特に料理などは子どもたちのために毎日欠かせないわけですが、包丁を使いながら「がんばろう」「しょうがない」「なんでこんなことを・・・」「どうしていないの?」といろんな感情がぐるぐる回ります。

子ども、母親、周囲の人たちが気を遣ってくれ、仕事に気持ちを向け、走ることで気を紛らわし・・・そんなことを繰り返しながら日々は過ぎていきました。

それはある意味「落ち着いた」のかもしれませんが、同時にこのままずっと一人で暮らすことへの不安や寂しさも沸き上がってくるようになり、それがパレットに参加してみようという動機の一つだったと思います。

伴侶を亡くされた方が、同じような経過をたどるとは限りません。何年経っても悲しみが癒えないという方もいらっしゃいます。

それでも3回忌、7回忌という区切りがあるように、3年、5年という区別もやはり意味があると思います。お互いに共感できる部分が多くありますからね。

⒉世代別テーマ

参加者の年齢で区分けするテーマについてです。

世代別の場合は、30代40代、40代50代、50代60代で括り、参加者の年齢層があまりにも開かないように考えられています。世代が違いすぎると、お互いに遠慮したりして会話もしづらい面があることへの配慮でしょう。

ですから、たとえば最年少30歳、最年長49歳という可能性もありますが、実際にはどうでしょう。またそうだとしても死別を経験した同士というのは、世代関係なく共有できるものがあります。

もちろん高齢になればなるほど、伴侶の死に逢う確率は当然高くなりますが、パレット倶楽部の参加年齢上限はだいたい60代まで。たまにそれ以上の方対象の会もありますが、若くして独り身になってしまった人たちのための会でもあるんです。

こうしたテーマは毎年同じではなく、私が参加していた3年くらい前と比べるとだいぶ変わっていますので、管理人の林さんが参加した方の声を聞いていろいろと工夫されているようですね。

2016年、「天国組」に初参加しました

私が天国組会に始めて参加したのが2016年の4月で、その時は40代50代の世代別会でした。おそらくいちばん若いYさん(男性です)は40そこそこで、私は50代半ばを過ぎていましたが、二次会でいろんな話をして、アドレスの交換もしました。

会社や世間のしがらみが全くないので、年齢が多少違っても、共通の話題で盛り上がる?(^_^;)ことも多いんです。

その時は男性15名、女性20名の計35名での開催でした。パレット倶楽部への参加者は、どちらかというと女性の方が多く、男女比の調整もそれほどありません。

なお、林さんによれば、この時はキャンセル待ちで参加できなかった方(おそらく多くは女性)が19名もいたそうです。そんなに伴侶を亡くした人がいるかと思えば複雑ですが…

会場は芝公園近くの、東京グランドホテルでした。5つの円卓に、男女混合で7名くらいずつ座ります。

テーブルごとに自己紹介して歓談していると、あっという間に所定の時間(20分?でしたっけ?)が経ってしまい、男性が残って女性がテーブルを移動。

それを5回繰り返すので、特に女性はせっかくの食事もゆっくり取れないくらい慌ただしいとも言えますが、それだけ会話が盛り上がります。

ただし、この形だと男性同士、女性同士は同じテーブルの方以外とはほとんど話せないまま、という難点はありますが。(会によって方式は変えているようです)

短時間ですが、全員でのフリータイムと今日の感想を述べ合って3時間の会が終了。本当に全員が伴侶を亡くした人とは思えないほど、前からみんな知っていたんじゃないかと思うくらい打ち解けた、楽しい会でした!

「楽しい」とか「盛り上がる」とか、私たちの立場では不謹慎にも思われるかもしれませんが、誰よりもそういう気持ちから遠ざかってきた者たち同士だからこそ、ここで解放できるんだと思います。

その後の自由参加の二次会にも、この時は9割近く参加した記憶があります。これもまた、参加者の中のベテラン?の方が仕切ってくれて、本会以上に賑やかでした。最後は四次会まで行ったという話も(^_^;)

最初は緊張していても、最後は「来てよかった」と思える会。パレット倶楽部は、参加者同士のグリーフケアの場でもあります。

⒊わかちあいの会

私自身はこのテーマで参加したことはないので、会がどんな様子なのか紹介することはできないのですが、ホームページに載っている内容と、管理人の林さんからうかがったお話をもとにまとめてみます。

「わかちあいの会」は通常の天国組会と違って、食事やお酒の入らないお茶会です。時間は2時間ほど、少人数でじっくり語り合うことを主眼に行なっているようです。

この会が始まったのは比較的最近で、最初は2018年の3月でした。

開催された会は、

2018年3月11日 伴侶自死の方のお茶会 (参加者男4 女6 計10名)

7月29日 伴侶自死の会 (男4 女8 計12名 うち初参加5名 )

11月4日 わかちあいの会 (男4 女8 計12名 初参加6名)

2019年1月27日急に伴侶を亡くされた方の天国組会(男5 女8 計12名)

3月3日伴侶自死の会 (男2 女10 計12名 初参加7名)

4月14日大阪伴侶自死の会(男5 女10 計15名)

6月2日 突然伴侶を亡くされた方の会(男9 女16 計25名)

現在までに7回実施されています。

このテーマが始まったきっかけについて、管理人の林さんはこう話してくれました。

わかちあいの会は、メンバーさんから「他の自死の会に行くと、そこには親や子供や兄弟や親戚を自死で亡くした方などが全て一緒なので、伴侶を亡くした自分達とはまた違いを感じる。パレツト倶楽部で伴侶を自死で亡くした方だけの集まりを企画してほしい」というご依頼をいただいたことからはじまりました。

私にもうつ病から自死した親戚がおり、その家族の様子を見るにつけ、何とも言えない雰囲気だったことを思い出します。

急にその存在がなくなってしまったことへの悲しみはもちろんですが、「仕方がない」と諦めようとしつつ、それ以上にもっと何かしてあげられることはなかったのだろうか、という後悔がありありと浮かんでいました。

そこが「自死」ということの重さであり、残された者たちがどうあがいても取り返せないものがあるのだと思います。

会の進め方について、林さんからお話をうかがいました。

皆さんからほかの方に聞きたい「お題」をいただいて、それを皆さんに答えていただく進行で行いました。もちろん話したくないことは話さなくてもいいですし、当日の名前も本名でなく「その時だけの呼び名」でOKとしたり、他の会に参加した方達から「こうしたほうがよい」というものをいただいて開催させていただきました。自分にはわからないことだらけですが、パレツトのメンバーさんが逆にフォローしていただけるのでありがたいです。グリーフカウンセラーに行くのには敷居が高いという方にも一歩踏み出して参加いただけるのではないかと思います。

この会に参加した方たちの感想を読ませていただきました。みなさん、自死の経験を共有する人たちだけで語り合うことに意義を感じていらっしゃいました。

通常の天国組会のような雰囲気とは違うでしょうが、悲しみを乗り越えるきっかけに必ずなるはずです。

もうひとつ、「突然伴侶を亡くされた方の会」があります。

私の場合は、妻をがんで亡くしたので、数か月間の「看取り」の時間がありました。医師から余命を告げられ、妻と、子どもたちとその時間を共有しながらその日を迎えました。

しかし、中には直前まで元気だったのに、突然亡くなられた方がいます。

急病、事故・・・まったく想像もしていない事態が起こってしまい、最愛の人を失う・・・

パレットで知り合い、年に何回か数名で旅行や飲みに行ったりする友人がいるのですが、その中にご主人を突然亡くされた方がいらっしゃいます。

その後、4人のお子さんを一人で育て上げて、もう6年ほどになるはずですが、いまでも思い出して涙を流すときがあるそうです。

看取りができた私やNさんとは違う重さをずっと持ち続けているのかな、と思います。

そういう方々のための「分かち合いの会」。林さんが強調されていたことがあります。

それは、わかちあいの会に限らないのですが、天国組会では、

「気持ちを吐き出すことがグリーフケア」になる

ということです。

もし、誰にも言えない深い悲しみを持ち続けている方がいらっしゃるのなら、ちょっとだけ勇気を出してこうした会に参加してみてほしい、と思います。

(パレット倶楽部のホームページに、過去の交流会の様子と、参加者の感想が述べられていますので、それを読んでいただければおわかりいただけると思います)

⒋その他のテーマ

天国組会には、この他にもさまざまなテーマがあります。

昨年、今年に開催されたものを見ると、

  • 異性との出会いを願う会
  • 近い将来の再婚や事実婚を願う会
  • ひとり身軽な方の会
  • 子供のいない方の会
  • 女性だけの天国組会
  • 地方開催

などがあります。

通常の天国組会は、異性との出会いを直接の目的にはしていません(もちろんその中での出会いもあります^ ^)が、そこに特化した会も年に何回かは開かれます。

「子どものいない方」「女性だけ」など、共通項を絞って語り合うことも会話が弾みそうですね。ちなみに「男性だけ」の会は今のところありません。おそらく人が集まらないと…(^◇^;)

管理人の林さんが直接出向いて行われる地方開催もあります。地方といっても、名古屋、大阪という大都市もあります。静岡、新潟、茨城もありました。

都内開催で多い参加は都内に加え、神奈川、埼玉、千葉の方です。死別の方は全国に散らばっていますが、こうした会があるところはほとんどないのでしょう。

以前、天国組会で北海道から参加された方がいて驚いたことがあります。

地方開催の要望もまだまだたくさんあるようです。それだけパレット倶楽部に期待する声は大きいということでしょう。これからの課題のひとつかもしれませんね。

私にとってのパレット

「パレット倶楽部・天国組交流会」を紹介してきました。

この交流会は、「伴侶を亡くした人たちが元気になるための会」です。

一人になって茫然としている、どれだけ時間が経っても悲しみが癒えない…そう感じていらっしゃる方にこそ、ぜひ一度参加してほしいと思います。

私がパレット倶楽部に初めて参加した時のことを書きます。

妻を亡くして3年、生活そのものは落ち着いてきたものの、その分この先ずっと一人で生きていくことへの不安や寂しさが募っていました。

仕事と家事中心の毎日では、いろんな人との出会いもほとんどありません。死別を気遣ってか、そういう話題も避けられることが多いです。

今はネットでいろんな情報を集められます。けれど、たとえば結婚相談所は料金が高すぎるし、そもそも再婚とまで考えているわけではないので、向きません。

婚活パーティーや、男女が1対1で数分ずつ会話できるお見合い?方式というのもありました。が、地方でこの年齢では開催がほとんどありません。東京でもそれほどあるわけでなく、それにこれも自分の気持ちにはそぐわない。何か申し訳ないような気持ちになってしまいます。

そんな中で見つけたのがパレット倶楽部でした。

「天国組」という言い方が怪しい(最初は某◯◯教会の集団結婚を想像していました(^_^;))し、ちょっと躊躇しましたが、他の婚活パーティーが男女で料金が全く違うのに対し、パレットは同額、場所も銀座あたりの高級なお店で食事もお酒もついて7,000円というのはかなり良心的です。(紙コップと自販機のお茶だけで5,000円などというところも多いですよね)

初めての参加が不安な人は、希望すれば管理人の林さんから電話があり、いろいろ説明もしてくれます。

決して怪しい会ではないことや、地方からの参加者もいるということなど、とても優しくお話していただき、かなりほっとしたのを覚えています。

そんなこんなで緊張しながらの参加でしたが、行ってみればさすが同世代の、共通項の多い集まりで、すぐに打ち解けて会話が弾みました。

みなさんもうそれなりの年齢なので大人の対応ができるし、女性が多いこともその雰囲気作りにひと役買っているかもしれません(^_^;)

他の会に参加したことがないので比較はできませんが、林さんもおっしゃっている通り、パレットに集まる方はみんないい方ばかりだということを感じます。

最初に書いた通り、天国組の会は男女の出会いを主目的にはしていませんが、「きっかけカード」というものもあります。(詳しくはHPまたは林さんにどうぞ^ ^)

また、会の中で、あるいは二次会の中でアドレスやライン交換をすることはよくあります。Facebookやグループラインでのつながりも、その会に参加した人だけでなく、パレット参加者同士で出来てきます。(もちろん任意です)

そして、そんな中で当然カップルになることもあり、またそうした人たちで集まって飲んだり、本当に不思議な縁が続いています。

50代以下で、伴侶と死別することはそう多くありません。(特に男性) その気持ちを理解してもらえる人たちが集まるのがパレット倶楽部なんです。

ここでの出会いが不安で寂しく味気なかった日々を変えてくれた、そう感じています。

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