きのう、4年前の卒業生が訪ねてきてくれました。
高校時代のこと
彼女、Aさんとは3年間授業やHRで一緒でしたが、それ以上に部活動でのことが印象に残っています。
今の学校に赴任した7年前、Aさんたち1年生9名が入部し、先輩たちを含めて20名くらいの部を担当することになりました。
経験者だけでなく初心者の子も多く、チーム内の力の差はありましたが、同時に練習や試合への向き合い方もそれぞれ、というかあまりまとまってはいない感じでした。
部活よりも勉強、塾、生徒会、プライベート…Aさんたちが入部した7年前はそんな雰囲気だったように思います。
だから勝つこと、技術を向上させることより、まずは顧問を含めてお互いの人間関係を作っていくことが最優先でした。
そんな中で1年が過ぎ、Aさんが2年生の5月、最後の試合で負けた先輩たちが引退します。
実はAさんの下の学年からは入部者が0だったため、部に残ったのはその2年生9名だけでした。
引退した先輩からキャプテンを任されたAさんは、しばらくしてから私のところに来て言いました。
「先生、やっぱり今までみたいな練習じゃなくて、やるからにはちゃんと上手くなって、試合にも勝てるようになりたいです。そのことをみんなで話し合いました。だから、先生にももっと練習を見てもらいたいんです。」
彼女たちの目標は団体ベスト8。1回戦に勝つのも難しい状態からのスタートで、最低2勝が必要です。その時から、ほぼ初心者集団の練習は変わりました。
コートでの声も出るようになり、ボールに対しての集中力も違います。
練習試合もたくさんやって、負け続けて悔し涙を流すこともしょっちゅうでしたが、その分勝ったときには本当にうれしそうな笑顔を見せてくれます。
そして10月、新人大会での接戦を制し、ベスト8という目標を達成しました。
Aさんの思いが全員に伝わって、試合に出られなかった生徒も含めて9人全員が同じ気持ちになれた、というのが大きかったんだと思います。
卒業、進学、そして…
その後Aさんは国立大に進学し、2年間は楽しく学生生活を送っていたようです。
けれど、3年生になって就活の時期になり、自分の本当にやりたいことが見えなくなっていました。
そのうち、彼女の中でどうしても外国に行きたい!という気持ちが強くなり、親や周囲の人の反対を押し切り、ついに4年の6月、8か月に及ぶワーキングホリデーに出発します。
最初の滞在先アイルランドでスマホを落とし、さらにパソコンが壊れて誰とも連絡が取れなくなったこと。
持って行ったお金が尽きかけ、日本に帰ろうにも帰れない状態になったこと。
そんな苦労話を楽しそうに話してくれます。
行く前はみんなに反対されたけど、思い切って行って本当に良かった。
私、それまで家でも学校でも周りを気にしてばかりで、自分の気持ちを抑えることが多かった。でもここで行かなかったら絶対に後悔するって思ったから。
英語もあまり話せず、コミュニケーションには苦労したけれど、でも出会った人がみんないい人で、本当に助けられました。
もっともっと勉強して、今度は私がお返しをしたいって思います。
たくさん失敗もしたけど、何とかなる、って思えるようになったね。
部活の時にやってきたこと、進路で悩んだこと、ワーホリでの武勇伝。みんな今につながってるよね。
…そんなAさんがこんなことをTwitterにつぶやいてくれてました。
昨日高校部活の顧問の先生に会ってきた!先生は今年で定年退職らしいんだけど、その後フリーランスに挑戦しようと思ってるらしく既に色々動き出してた。すごく生き生きしてたし、人が挑戦する姿ってやっぱり素敵だなあと。そして年齢って本当にただの数字だなって。私も負けていられない
もちろん、負けないようにがんばるよ ^^
最近のコメント