SDGsカードゲーム(2030,地方創生)の体験

日々のこと

SDGs(Sustainable Development Goals)のカードゲームには以前から興味があったのですが、その「2030SDGs」に加えて、国内版の「SDGs de 地方創生」というゲームが出来たということを最近知りました。

2030が世界の課題解決を考えるものであるのに対し、こちらは国内の、特に地方の課題に特化しているもののようです。

詳しくはこちらのサイトをご覧ください↓

https://sdgslocal.jp/

このゲームによって、参加者の意識が変わるというのですが、さていったいどんなものなのか。

とにかく早くやってみたいと思い、peatixで見つけた体験会にさっそく申し込みました!

こちらです↓

https://peatix.com/event/1302479 (「SDGs de 地方創生」)

https://peatix.com/event/1302466 ( 「2030 SDGs」)

順番は逆の方がいいのかもしれませんが、土曜夜に地方創生、日曜に2030と、ともあれ両方を一度に体験できるのはありがたかったですね。

開催されたのは、公認ファシリテーターの阿部昭彦さん。とても丁寧な分かりやすいお話で、SDGsの概要がつかめました。

あべべさん(阿部さんの当日の呼び名)はこんな方です↓

阿部昭彦(あべ あきひこ)
1963年2月 神奈川県横浜市出身。在学したすべての学校に「横浜」がつくのが自慢。大学卒業後は東京の私立中高で国語科専任教諭として29年間勤務し50歳を機に退職。日本橋から三条大橋まで東海道を歩く道中で、これからの人生は地方を元気にする活動に取り組むと決心。福岡県柳川市の地域おこし協力隊として商店街活性化を担当。現在は現役協力隊のサポートと並行してSDGsの普及活動を展開。多拠点生活者。演奏歴40年のベテランベーシスト。好きな言葉は「イエスアンド」。

https://fledge.jp/article/abeakihiko

↑これを読むと、ホントにすごいし、共感することがたくさんあって、遅ればせながら見習いたいと思います。

地方創生は参加者10人で始まりました。あべべさんの自己紹介、SDGsとは何かというお話、その後ゲームの説明があり、いよいよ開始。

詳しく説明するとなるとかなり複雑ですので、シンプルにまとめます^ ^

「SDGs de 地方創生」ゲームの進め方

まず、自分の役割を決めます。大きく分けると「行政担当者」と「住民」です。

行政担当者は配布された予算を配分して、まちを良くすることがゴールです。

まちの状態は、「人口」「経済」「環境」「暮らし」という4つの指標で表され、ホワイトボードに貼られるマグネットの数で「見える化」されます。

途中では人口がかなり衰退する危機的状態でした。

一方住民には、一次産業従事者や工場経営者、地主などさまざまな役割があります。今回私は「一般市民」で、とにかく最終的にお金を集めることをゴールとする役割を選びました。

なにせ初めてなので、「金集め」という分かりやすいものがいいだろうと。

ということと、カネを目的にしながら果たして良いまちづくりに協力できるのか、ゲームの中で確かめたいと思ったということもありました。

最終的にゴール達成! でも3,000万Gsも余ったのはどうなんだろう?
上から資金、プロジェクトカード、リソースカード。なるほどね。

そして参加者それぞれに資金(1,000万Gs)、人材や組織などのリソース、そしてさまざまなプロジェクトが書かれたカードが配られます。

このプロジェクトをお金とリソースを使ってやっていくのですが、「地域の状況メーター」を見ながら、「社会が8以上」などという条件を満たさないと出来ないプロジェクトもあります。

カードの交換、譲渡は自由なので、自分が必要なものを他の参加者と交渉して手に入れていきます。

また住民はそのプロジェクトがまちにとってよりよいものだと考えれば、行政担当者と交渉して資金を調達して実行します。

そうやって条件を満たしたプロジェクトを事務局(参加者の数には入りません)に持って行くと、また新しいプロジェクト、リソース、資金をもらうことができます。

これを12分を1ターンとして4ターン続けていき、最終的に個人がゴールを達成して、町の状況がよくなっていれば成功!です。

しかし中には、まちに悪い影響を及ぼすプロジェクトもあり、それは事前に分かりません。そのたびに状況メーターの数が増減し、やろうと思っていたプロジェクトができなくなったり。

参加者それぞれの意志と、偶然の積み重ねが結果を変えていきます。

3ターンまでは危機的状態、でも最後に・・・

前半は自分のプロジェクト達成を最優先に考え、とにかく儲かるプロジェクトばかりやっていました。でもそのたびに環境や社会のメーターは減っていきます。

そうこうしているうちに自分のゴールである1.5億Gsが貯まったので、今度はとにかくホワイトボードの4つの指標をバランス良く上げていかないと、と思い始めます。(現実だったらそのあともずっと貯めっぱなしでしょうけどね^_^;)

そのために他の参加者のカードを見て、手持ちの資金やリソースを渡します。

さらに他の参加者にも呼びかけ、みんなでまちを良くするための知恵を出し合うようになります。

「どなたか○○のカードありませんか?」「お金貸していただけませんか?」とゲームなのかリアルなのか分からない声が飛び交うようになり、いつのまにか参加者全員と会話していたことに気づきます。

最終的に、残り3分くらいでまちは格段に良くなり、人口も経済も、環境も社会もそれぞれバランス良く発展しました。

個人もまちも豊かに。「誰も取り残さない。」

終わってみての振り返り。確かにまちはそれなりによくなりました。そして10人中8人は個人のゴールを達成しました。

でも、このゲームのもう一つの目標は、「だれも取り残さない」ということです。

そうすると、残りの2人、20%の人が満足できない「まち」にしかならなかった、ということでもあります。

そしてその2人のゴールは、本人の責任だけでなく周りの人々が気にかけてあげられれば達成できていた、ということも分かりました。

これこそがSDGsの考え方、本質なのだということが、ゲームを体験することによって気づかされた、ということになります。

いや、ホントに楽しかったなあ(^_^)

2030SDGsカードゲーム

地方創生の翌日は2030SDGsのカードゲームです。

持続可能な開発目標(SDGs)とは

2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGsの後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます

外務省ホームページ

国連サミットで全会一致で採択されたのですが、それもなかなかない素晴らしいこと。しかし残念ながらまだまだ日本では浸透していないようです。

そこでSDGの理念や本質を理解するために生まれたのがこのカードゲームです。

詳しくは↓

https://imacocollabo.or.jp/games/2030sdgs/

こちらの参加者は6名と少なかったのですが、その分コミュニケーションはかなり取れました。

参加者にはそれぞれ、「大いなる富」「悠々自適」「貧困撲滅」「環境保護」「人間賛歌」の5種類の目標が設定されます。

経済的な豊かさや時間的な余裕と言った個人の幸福を望むのか、それとも社会問題の解決を目指すのか、人によって価値観はさまざまですからね。

今回は選択制でなくてくじ引きで。私は「環境保護の闘士」という役目を命じられました。

そして「プロジェクト」と呼ばれるカードと、そのプロジェクトの実行に必要なお金と時間という資源が割り当てられます。

プロジェクトには、たとえば交通インフラの整備や再生可能エネルギーへの切り替えといった大きな施策もあれば、環境対応商品の購入というミニマムなものもあり、多様です。

プロジェクトを実行するたびに変化する「世界の状況メーター」は、環境・経済・社会の3分野です。

たとえば「経済を発展させると環境には悪影響を与える」といった設定を持っているカードもあり、何を実行するかによって世界の状況が変わります。

「個人の目標の達成」と「世界の状況の改善」の両立を目指すという点で地方創生版と同じです。

異なる目標・価値観を持っていても、お互いに交渉したり連携したりして、世界をより良い方向に導いていく…ここが「2030 SDGs」の本質ですね。

ターンは前半と後半に分けられ、前半のターンが8分、後半は15分。この設定にも意味がありそうです。

実際やってみると、前半はやはり個人のエゴが出てしまうのか、経済ばかりが伸びて、社会のメーターはどんどん下がります。

そしてついに社会のマグネットの数が0に!

で、ここから6人の会話がどんどん増え、みんなでなんとかして社会を良くしよう、経済を犠牲にしても、という雰囲気になってきます。

自分以外のカードに注目して、そのプロジェクトのために資金も時間も惜しげもなく費やします。

そしてその結果、0だった数値は10まで伸びました!

最終的に3要素がバランスよく取れた世界になりましたが、やはり個人の目標を達成出来なかった人もいたので、阿部さんの採点は100点満点中93点でした。

やってみると、本当にいろんなことに気づかされます。

たとえば「不法滞在者の就労増加」というカードがありました。

経済効果もあって手持ちの資金も増えますが、「社会」への悪影響があるので実行しませんでした。

「温室効果ガス排出量の削減合意」というプロジェクトは、費用も時間も膨大なのに、得られるものはあまりないので、とても実行できません。

まさに現実の世界で起きていることそのままですね。

経済的に得をしないことには与しないという、各国のエゴが投影されています。

2つのゲームの体験を通して気づいたこと、感じたことについて、振り返ってみたいと思います。

SDGsの本質

2日間、2種類のSDGsカードゲームをやってみました。

ゲームそのものもとても楽しかったのですが、それ以外にもいろんなことを学んだり、気づきがありました。

認定ファシリテーターのあべべさんからは、振り返りの時間にさまざまなお話をしていただきました。

なぜSDGsが必要か?という観点から、「エコロジカルフットプリント」のお話。

私たちが消費する資源を生産し、社会・経済活動から発生する二酸化炭素を吸収するのに必要な生態系サービスの総量のことだそうです。

そして現在、その総量は地球1.7個分。

つまり、0.7個分は足りず、その分は結局未来世代から借りているのだと。

全世界がインドの人と同じ生活をすればいいということですが、うーん。

「フォアキャスティング」と「バックキャスティング」

そこで「バックキャスティング」の話。

現状からどんな改善ができるかを考えて、改善策をつみあげていくような考え方をフォアキャスティング(forecasting)。

それに対して未来の姿から逆算して現在の施策を考える発想がバックキャスティング(backcasting)。

現状から考えて適度なチャレンジを設定するのはフォアキャスティング。バックキャスティングは、不可能に思えても必要な目標を設定し、やり方を後からなんとかして考える、というもの。「創造的破壊を生みだすアプローチ」だそうです。

SDGsの17の目標もこの考え方にあたります。

もうひとつ、分かりやすいたとえ話がありました。

ドベネックの「桶」

世界を「桶」に喩えた時、桶を作っている板の長さがまちまちだったら、中に溜まる水の量はいちばん低い板のところまでにしかなりません。

水量(=経済発展)を増やすには、当然ですがすべてをバランスよくすることが必要です。

国連193か国全会一致でSDGsが採択されたのは素晴らしいことですが、この考え方があったからでしょうね。経済効果が期待できるからという。

「世界はつながっている」だから遠い国の問題も、身近なところに影響する。

だからこそ、自分が起点となって考えや行動を変えることで、世界の課題に迫れるかもしれない。

それがSDGsの思想なんですね。

世界はみんなつながっている。

いろんなことを学んだだけでなく、同じテーブルだった若者たちとも会話が弾み、Facebookでも繋がりました。

そのうちの一人、たまたま帰り道が一緒だったKさんはSDGsの公認ファシリテーターでもあり、さらに話が深まりました^ ^

こうした会に参加しなければ、絶対に接点のなかった人たちと繋がる、すごく楽しくてうれしいことですね。

その分、今までずっと、すごく狭い世界にいてしまったなという後悔も少し。

でも60歳からのスタートも悪くない、そう思っています。

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