12月のFAJ(日本ファシリテーション協会)東京定例会に参加しました。
今回はインプロです。『本番で発揮する7つの力 ~インプロシンキングとファシリテーション~』というテーマ。
すインプロとはimprovisation(即興)の略称です。与えられた題や言葉をもとに、即座に対応する力を養います。それはファシリテーターとして役立つ、本番で発揮する7つの力だそうです。
その7つの力とは、
- 自分を信じる力
- 受け入れる力
- 伝える力
- 集中する力
- 行動する力
- 笑う力
- 転じる力
(インプロについて、詳しくはこちら)↓
インプロゲームを体験することで、こうした力を身につけていくというのですが、これ自体初めて聞く言葉で、好奇心だけで申し込んでみましたが、どうなることやら。
12:30開始。ファシリテーターのべしさんの進行で、まずは「身体系ゲームトレーニング」から。
目次
身体系ゲームトレーニング
- ミーティング・グリーティング
- ジャンピング・ハッ
- ドライブ
- 拍手回し、アクション回し
- トイレ大爆発
- ナイフとフォーク
- ミラーゲーム
ゲームの説明はほとんどなく、インプロヴァィザーであるYさん、Nさんのデモンストレーションを見てからとにかく体を動かします。
最初は簡単にできても、だんだんテンポも速くなり、動きも複雑になっていきます。
それでもなんとかついていきますが、いい歳をした大人がワーワー言いながら前進使って動き回る様子、客観的に見るとかなり異様だと思います。
が、やっている本人たちはいつの間にか夢中になって楽しんでるんですよね。
たとえば「トイレ大爆発」。3人がチームになり、2人が向かい合います。両手を前に伸ばして手を繋ぎます。もう1人がその輪の中に入ります。これで準備完了。
これ、2人は「便器」で、中の人は「うんち」だって(^_^;)
全部で22人の参加者でしたので、1人余ります。その余った「鬼」が「うんち大爆発!」と言ったら7人の「うんち」が一斉に移動。1人は便器の輪に入れなかった1人が次の鬼です。
あとふたつバリエーションがあって、「便器大爆発!」だとチームの2人が移動。「トイレ大爆発!」と言ったら3人とも、つまり全員が一斉に大移動。
鬼ごっこの変形ですが、なにせワードが「うんち」だけに、もう童心にかえらざるを得ません。
外から見れば馬鹿げているに決まっていますが、でも数十年前はこうだったんですよね。
「かくれんぼ」「だるまさんがころんだ」「石蹴り」「メンコ」「ベーゴマ」「ビー玉」「凧揚げ」・・・女子は「あやとり」「おはじき」、男子は「すもう」もよくやってました。
こんなふうに身体を使うこと、いつの間にかまったくなくなっています。
大人になれば当然でしょうが、こうした体験、根っこのところで人への信頼感につながっている、そんなことをこのゲームを通して感じました。
休憩を挟んで、身体系のあとは「言語系ゲームトレーニング」です。
言語系ゲームトレーニング
- ワンボイス
- プレゼントゲーム
- 3つの話
- 3人の上司
- ワンワード
- シェアード・ストーリー
- Yes,and
- 社長、大変です!
- 名作1分
言語系と言っても、身体を使うことは同様です。加えて頭も使い、コミュニケーション能力も必要。
たとえば「ワンワード」。べしさんが言うある言葉を、20人で身体を使って表現するというもの。(相談してはいけません)
まずはアルファベットの「G 」。これは人文字なのでなんとなくみんなで動いてできたのですが、
次は「集団」の「集」という漢字!
こうなるとただ並んだだけでは無理なので、みんな両手を斜めに伸ばしたり、横になったり、身体を折り曲げたり。それでもなぜか自然に自分の役割を考えて動き出して、すので、最後は「集」の字に見えるのですから不思議です。
最後は「名作1分」。「桃太郎」「3匹の子ぶた」「浦島太郎」「シンデレラ」などの誰もが知ってる物語を4人1チーム、1分で演じるというもの。
これも考える暇なく、テーマが与えられたらすぐに動き出さなければなりません。
脚本なし、キャスト不明、あるのはストーリーだけというとんでもなく困難な作業に思えたのですが、
これも自然に誰かが一つの役を演じると、それに合わせて他の3人が他の登場人物になりきります。
いや、人だけでなく動物にも、あるいは「かぼちゃの馬車」みたいなモノにも。
どのチームも1分でできてしまいました。
さらにそれを半分の30秒で、さらに半分の15秒で演じる、というお題にも見事に対応。人間のコミュニケーション能力ってすごいです。
身体系のトレーニングから始まって、次第に複雑な言語系に発展していったことで、慣れていったということもあるのでしょうね。
ファシリテーションとの関わり
最後の振り返りで、インプロをファシリテーションの場面でどう生かすか、という点について話し合いました。
アイスブレイクの場面、会議が紛糾したときに即座に対応する力・・・さまざまな意見が出ました。
実際に具体的な場面でということもあるのですが、私が感じたのは、「身体」を使う、感じるってやっぱり大切だな、ということ。
それはファシリテーションに限ったことでなく、生きるうえで、という広い意味でです。
指先が触れるだけで伝わるもの、信頼感。
今回のワークショップでのキーワードに、「Leader」と「Reader」がありました。
「Leader」はアイデアを出し、全体をリードする。「Reader」はそのアイデアを読み取り、「Leader」をサポートする。
状況に応じて「Leader」の役割と「Reader」の役割の双方を柔軟に担うことが求められる、と。
それってどんな人間関係にも言えますよね。
親子でも、教師と生徒でも、ピラミッド型の組織でも。
そういう一面があってほしいし、必要だと思いました。
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