突然の「休校要請」をどう見るか

教育

ついに、というべきか、2月28日に政府が公立小中高の学校を休校するようにという要請を出しました。(参考:NHK NEWS WEB↓)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200227/k10012304751000.html

これを受けて、各都道府県の教育委員会が対応を検討し、島根県を除く46教委が休校の実施、もしくはその方針を示したそうです。

このことについては賛否両論ありますが、これだけ新型コロナウイルスが蔓延してきている状況の中で、それを防ぐ手段として政府が要請することはあってしかるべきとは感じます。

しかし、それにしても急すぎる、という困惑と、何ともいえない違和感は禁じ得ません。

「急すぎる」というのは、新型コロナウイルスの発生以来、これまでの政府の対応を見る限り、あまり危機感を持っていなかったように見え、それがここへ来てなぜ?ということです。

初期対応の遅れは指摘されているところですが、そのスピード感自体への疑問があったため、今回の休校要請はなにか一足飛び、別の言い方をすれば寝耳に水の感じです。

2月29日に行われた安倍首相の会見内容を整理してみました。

参考:HUFFPOST↓ 

https://www.huffingtonpost.jp/entry/primemi_jp_5e5b0553c5b6beedb4ec48e8

安倍首相の要請内容

  1. 多数が集まるような全国的なスポーツ、文化イベントについては中止、延期または規模縮小などの対応を要請。
  2. 換気が悪く、密集した場所や不特定多数の人が接触するおそれが高い場所、形態での活動も当面控え、事業者には感染防止のための十分な措置を。
  3. 全国すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、来週月曜日(3月2日)から春休みに入るまで臨時休業を行うよう要請。卒業式については、感染防止のための措置を講じ、必要最小限の人数に限って開催するなど万全の対応のもと、実施。

政府の支援対策

  • 学童保育において、春休みと同様の対応をとることなど、各自治体における様々な取り組みを、国として全力で支援する。
  • 保護者の休職にともなう所得の減少にも、新しい助成金制度を創設することで、正規、非正規を問わずしっかりと手当てする。
  • 2700億円を超える今年度(予算の)予備費を活用し、第2弾となる緊急対応策を今後10日程度のうちに取りまとめる。
  • 業種に限ることなく、雇用調整助成金を活用し、特例的に1月までさかのぼって支援を実施。
  • 中小、小規模事業者の皆さんが直面する課題について、その声を直接うかがう仕組みを作り、強力な資金繰り支援を始め、地域経済に与える影響に対策を講じる。
  • テレワークなどITを活用しながら、社会のあらゆる分野で変革対応を進め、未来を先取りする変革を一気に進める。
  • 世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行う。
  • PCR検査については、現時点で全国で1日当たり4千件を超える検査能力がある。現在も地方にある民間検査機関、大学に試薬などを提供し、一層の検査能力の拡大に努める。
  • 広域融通によって必要な検査が各地域で確実に実施できるよう、国において仲介を行う。来週中にPCR検査に医療保険を適用し、保健所を経由することなく、民間の検査機関に直接検査依頼を行うことが可能となる。
  • 民間検査機関の検査能力も大幅に増強。加えて、ウイルスを検出するための作業を15分程度に短縮できる新しい簡易検査機器の開発を進めており、3月中の利用開始を目指す。
  • 緊急時には感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、5千床を超える病床を確保する。病院への支援を行い、現時点で空いているベッドをすべて維持してもらう。
  • アビガンを含む三つの薬について、新型コロナウイルスに有効性があるかどうかを見極めるため、観察研究としての患者への投与をすでにスタートし、治療薬の早期開発につなげていく。

これから必要なことは何か

こうしてみると、爆発的に感染が広がった場合、これで十分かどうかという仮定の話はおいておくとして、政府としても対策を練っている、ように思えます。(よくよく見ると「新しい助成金制度の創設」以外は、期限や数値があまり明確でない、あるいは達成がしやすいものであるような気もしますが。)

ただ問題は、ここまでの過程についての説明が不足している点や、心配されている声に十分応えていないことです。

学校の休校要請は、「何よりも、子どもたちの健康・安全を第一に考え、多くの子どもたちや教員が日常的に長時間集まることによる大規模な感染リスクにあらかじめ備える」と言っていますが、多くの人が危惧しているのは何より感染の拡大です。

重症化しにくい子どもたちに焦点化するより、感染拡大防止のためにまずは学校から、というほうが理解できます。

一方で、幼稚園や保育所、それに小学生を放課後に預かる学童保育は含まれていない、ということですし、通勤時の満員電車などの対策も盛り込まれていないのでは、効果が中途半端になるのでは、という声も当然出てきます。

いや、こうした緊急時ですから、要請が唐突であったり、対策が不十分であったりするのは致し方ないのかもしれません。

政府任せでなく、各自治体や企業、個人レベルで考えなければいけないのはもちろんです。

ただ不安なのは、「国は、政府は、首相としては言うべきことは言って、やるべきことはやった。あとは自己責任だ。」そんな感じがつきまとうことです。

政治判断で行った今回の要請であり、政治は結果責任だということですが、「結果」としてならいつかは必ず収束するでしょうから、その時点で責任を果たした、といえば済むことです。

常に状況を注視し、様々な立場の人々の声に耳を傾け、スピーディーな決断と情報公開を毎日繰り返す。

それは今からでも遅くはないと思うのです。

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