「特別警報」とは・・・重大な災害の危険性が著しく高まっている。避難所へ避難したり、(噴火の場合)警戒範囲外へ避難したり、(避難することが危険な場合は)家の中の安全な場所に留まるなど、ただちに命を守る行動をとる段階、とされています。
警戒レベル5は、既に災害が発生している(もしくは発生している可能性が極めて高い)状況であるため、対象地域における住民のとるべき行動は「命を守るための最善の行動をとる」としています。
10月12日(土)、「大雨特別警報・警戒レベル5」が発令されました。
前日金曜から、この台風は大型で勢力が強いので備えてください!というニュースをずっと耳にしていたので、それなりに家の周りを片付けたりはしていましたが。
強風で屋根が飛ばされてしまうような強風が吹いたら、これはもう諦めるほかはなく、できることは外のビールケースやら物干し竿など軽いものを縛っておくことくらい。
風対策はともかく、雨はどうにも防ぎようがありません。そんなにすごい雨量になるのか、という疑問と不安のまま土曜日の朝を迎えました。
この日は仕事も予定もすべて中止。買い物も前日に済ませ、いつでも対応できるように自宅待機です。
それにしてもこれだけテレビで騒いでいるだけあって、スーパーに行ってもまず水とパンが売り切れです。先日の台風15号による千葉の被害をみんな知っているので、停電、断水を恐れて真っ先に調達したのでしょう。ホームセンターのカセットコンロもなかったそうです。
土曜日は当然朝から雨。予報では山梨を直撃する可能性は少なくなった感じはありますが、ニュースのトーンは相変わらずです。
「何十年に1度」「早めの避難」「まず命を守る」・・・そんな言葉が繰り返され、不安が募っていきます。
母親が一人で住む実家も心配なので長男を行かせて、家には私と娘だけ。2人でテレビの予報と外の様子を見比べながらの1日です。
台風は強さを保ったまま予報通りの進路を進んでいて、「避難勧告」も出ました。
風はそれほどないものの、強い雨が降り続き、ついに警戒レベル5に。
近所には浸水深の恐れがあるとネットの予報にも出ています。
台風が過ぎるまでまだ5時間以上。避難指示が出るまで出来ることはありませんが、何も手につかない状態。60年間生きて、はじめての経験かもしれません。
被害はなかったけれど…
夜中に雨は止み、強風は吹きましたが特に大きな出来事もなく、不安な夜が明けました。
様子を見がてらランニングに出掛けました。浸水が心配されていた場所も特に大きな変化はありません。
あれだけ騒いでいたのが嘘のような、でもひと安心です。
けれど、その後のニュースで明らかになったのは、周辺は大変なことになっているということ。
長野の千曲川、川越、八王子…関東だけでなく東北も。
その映像を見るにつけ、複雑な感覚を覚えます。
もしかしたら、家が水に浸かったあの状態になってたかもしれない。
その差を分けたのは偶然でしかない。
何もなくてほっとした気分より、その偶然で助かったことへの違和感というのか、罪悪感というのか…
それまでの津波や地震の災害には、悲しみと同時にどことなく安堵の気持ちを持ってしまっていました。けれど今回は、どうしても人ごとに思えません。
かつて自然と共生していた時代、不意の災害もまた身近でした。私たちは、日々の生活が当たり前に続くと思い込んでいすぎるのでしょう。
3日経っても、まだ被害の全貌が見えてきません。台風関連で亡くなった人の数もどんどん増えていきます。
今、これから何ができるのか。日常が続く限り、そんなことばかり考えているわけにもいかないのですが、心は重いです。
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