「破局」(遠野遙)を読む
なぜ「膝」なのか? その文体というのか、構成というのか、よく分からない違和感に包まれながら一気に読んでしまった。 その違和感の正体は、読み終えた今でも不明である。ただ、それがこの小説の面白さであるという感じだけはある。 …
なぜ「膝」なのか? その文体というのか、構成というのか、よく分からない違和感に包まれながら一気に読んでしまった。 その違和感の正体は、読み終えた今でも不明である。ただ、それがこの小説の面白さであるという感じだけはある。 …
Kが選んだ死に場所 Kはなぜ自分の部屋で死を選んだのでしょうか。 そしてなぜ「私」の部屋との間の襖を開けていたのでしょうか。 この問いについては、「『私』に見つけて欲しかったから」という答えをよく見掛けます。 それはお…
「不吉な塊」とは えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。焦躁と言おうか、嫌悪と言おうか――酒を飲んだあとに宿酔があるように、酒を毎日飲んでいると宿酔に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。これはちょっ…
ニューヨークも東京も株価が大幅に下がり、倒産する会社も出ているとか、新型コロナウイルスの影響はとどまるところを知りません。 全国の小中高校の休校も大変な事態ですが、日本、いえ世界全体がこれまで経験したことのないような状況…
(https://penta-3.com/2020/02/26/soseki-kokoro5/ の続きです) 前回まで、「こころ」における「K」の死について考えてきました。 けれど、この小説にはそれ以外にもさまざまな問題…
定番作品としての「こころ」 教科書には長年掲載され続けている「定番作品」というものがあって、主に小説です。 1年次では「羅生門」(芥川龍之介) 2年次では「こころ」、「山月記」(中島敦) 3年次では「舞姫」(森鴎外) 記…
今日は1月31日。(「愛妻の日」らしいです) 3年生は明日からいわゆる自由登校日になります。 私大の入試はもう始まっていますが、これからがピーク。国公立の前期試験、センター推薦(センター試験の結果と面接などで合否を決める…
5人の生徒の会話から 次に示すのは、この文章を読んだ五人の生徒が、「誠実さ」を話題にしている場面である。傍線部D「価値観が多元化した相対性の時代には、誠実さの基準も変わっていかざるをえないのです。」という本文の趣旨に最も…
SSHとは SSHとはスーパーサイエンスハイスクールの略語ですが、数年前にいた学校はその指定校でした。 文部科学省では、将来の国際的な科学技術関係人材を育成するため、先進的な理数教育を実施する高等学校等を「スーパーサイエ…
現実とヴァーチャルを区別するもの 国語の問題を解いていると、「問題文」としてではなく読み物として興味深いものがいくつもあります。 現代文であれ古典であれ、試験問題になっている文章はほぼ100%初見なので、私たちにとっても…