「破局」(遠野遙)を読む
なぜ「膝」なのか? その文体というのか、構成というのか、よく分からない違和感に包まれながら一気に読んでしまった。 その違和感の正体は、読み終えた今でも不明である。ただ、それがこの小説の面白さであるという感じだけはある。 …
なぜ「膝」なのか? その文体というのか、構成というのか、よく分からない違和感に包まれながら一気に読んでしまった。 その違和感の正体は、読み終えた今でも不明である。ただ、それがこの小説の面白さであるという感じだけはある。 …
Kが選んだ死に場所 Kはなぜ自分の部屋で死を選んだのでしょうか。 そしてなぜ「私」の部屋との間の襖を開けていたのでしょうか。 この問いについては、「『私』に見つけて欲しかったから」という答えをよく見掛けます。 それはお…
「不吉な塊」とは えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。焦躁と言おうか、嫌悪と言おうか――酒を飲んだあとに宿酔があるように、酒を毎日飲んでいると宿酔に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。これはちょっ…
ニューヨークも東京も株価が大幅に下がり、倒産する会社も出ているとか、新型コロナウイルスの影響はとどまるところを知りません。 全国の小中高校の休校も大変な事態ですが、日本、いえ世界全体がこれまで経験したことのないような状況…
(https://penta-3.com/2020/02/26/soseki-kokoro5/ の続きです) 前回まで、「こころ」における「K」の死について考えてきました。 けれど、この小説にはそれ以外にもさまざまな問題…
定番作品としての「こころ」 教科書には長年掲載され続けている「定番作品」というものがあって、主に小説です。 1年次では「羅生門」(芥川龍之介) 2年次では「こころ」、「山月記」(中島敦) 3年次では「舞姫」(森鴎外) 記…
現実とヴァーチャルを区別するもの 国語の問題を解いていると、「問題文」としてではなく読み物として興味深いものがいくつもあります。 現代文であれ古典であれ、試験問題になっている文章はほぼ100%初見なので、私たちにとっても…
先月のFAJ(日本ファシリテーター協会)定例会でお話をうかがった、森時彦氏の「ザ・ファシリテーター」を読んでの感想です。 2004年に発行されていますから、もう15年も経っているのですが、本当に面白くてたくさん学べて考え…
FAJ(日本ファシリテーション協会)の基礎講座や定例会に参加して、少しずつファシリテーションが見えてきました。 そんななかで知り合った方々から、「やっぱり堀さん(協会フェロー)はすごい!」という声を何度も聞きました。 「…
「舞姫」の授業が終わりました。 高3で読むことになっていますが、やはり明治時代の文語文に生徒は悪戦苦闘。10時間近くかけたのに、ストーリーがあまり分かっていない生徒もいるようです。 まあそれには別の要因もあります。 今回…